片持ちスラブ元端の必要厚さ

何度か話題になっていた事のある
片持ちスラブ形式の廊下崩落。。。 

今回は、
このことが少し気になり、
RC片持ちスラブのおさらい記事です。


基本的に、
片持ちスラブというものは、
静定構造です。

そのため、
支点であるはね出しの元端部分が割れると
崩落に直結する危険性を持っている事は、
建築構造力学を習熟した建築士ならば、
周知のことのハズです。   



RCスラブの重要な元端部分の厚みには、
日本建築学会「鉄筋コンクリート構造計算規準(2010)」
 (以降、RC規準2010 と略記)
 18条 床スラブの算定 を参照すれば、

  t ≧ Lx/10

  ココに、
   t :片持ちスラブの厚さ
   Lx:片持ちスラブの短辺方向有効長さ


このような制限があるのは、
構造設計実務者ならば、
どなたもご存じの事。


それで、
この規定を守ることが多い訳ですが・・・


ココで、
片持ち以外のRCスラブの場合、

 t ≧ Lx/30

これを満足させるには、
キビシイ場合に

 変形増大係数 α=16
 長期たわみ量 δとして、

 α・δ/Lx ≦ 1/250

コチラで確認する方が、
よいケースが多いかと思われます。


そこで、
片持ちスラブにおいても、
それで考えようとするならば、

 日本建築学会「RC規準 Q&A
   参考URL:http://www.kyusan-u.ac.jp/J/rcqa/answer.htm

  No.6の回答 において、
   それでよいでしょう。
   ただし、増大係数には部材せいが大きく影響するので、
   片持ち梁に限らずせいの小さい梁については
   付 7.の長期たわみ計算法にてチェックして下さい。

  このようにされています。

 よって、実はこの回答で考えようとすると、
  片持ちスラブの場合、
   α=16で考える事になるかと思われます。


ところが、
元々、片持ちスラブの先端たわみ自体を
RC規準Q&Aで回答されている
 付7を参考にして…、
...と思い参照すると、

実は、
 ココには周辺固定スラブの考え方しかないのです。

エッ 

ジャ、どうするのよ 

でも、何か考えないとねって事で、
スパン中央の
 許容たわみ量 20mm 以下で考えようかな~と
思って見ても、
先ほどの
平成12年 建設省告示 第1459号 にある

 α・δ/Lx ≦ 1/250

これを満足させようとしたら、
普段、共同住宅の共用廊下設計で
考えている時には見ない
 分厚いスラブとなってゆきます。。。

・・・イヤ 
 RC規準 付7で解説されている
  弾性たわみの倍率が
   ・両端固定で 12~18倍
   ・単純支持で 6~12倍
  これを便宜的に、
  一律 16倍と設定したときの
   長期たわみが許容値以下となるような
   最小スラブ厚さを提示しているものと
           されている訳ですから、

片持ち支持スラブも
 同じ変形増大係数 α=16 は、
ソリャ、安全側なのは分かりますが、
 住戸側スラブ厚に比べて、
 あまりにも過剰では 
・・・っていうか、
 どんどん自重の増大する影響からみても、
  設計上、悪循環になるぞ 

・・・このQ&A回答・・・
 チョット、片持ちスラブの事、
 あまり、気にしていないのカナ? 

そうなると、
 最初の方にかいた
  t ≧ Lx/10

 こちらで
  片持ちスラブの必要厚さを考える方が
  無難に思えるのですが、

 先端に
  RC手すり等の重い荷重が作用するケースでは、
 いくら法律上、確認申請が通ったとして、

 RC規準2010・18条の解説で
 「先端荷重を受ける片持ちスラブにおいては、
   その影響をも考慮する必要がある。」
 そもそも、これがなされていないでしょ 
 となってくる訳です。

※規準というのは、
 解説部分を含めて、読んで解釈しておかないと、
 危険な設計になる懸念があるのも事実で、
 実務設計においては、
  当然、
  このような事も含めて考えているハズなのですが、
  ある種、グレーなところでもあったりする気もします。。。


昔、H県の公営住宅などでは、
(一応ふせていますが、分かる人には分かりそう…

 先端荷重を受ける片持ちスラブの必要厚さは
  t ≧ Lx/8
 と少し厳しくするような事が、
  確か決められていたように記憶しています。
 ※何故、1/8にしたのか、
   経緯までハッキリしないトコですが…

 また、共用廊下には、
  原則、片持ち梁を設けるような
   行政の内規のある を決めている ところも
  あったりはします。
 (それは、
  その方が構造的によいのは明白かと思われます。)



・・・そこで、
こういう時こそ基本にもどるのが一番  (カナ?)
 
RC規準2010・18条の解説を再度読み直せば、

「…片持ちスラブの厚さtは、
  固定端に生じる設計用モーメントを
  曲げひび割れモーメント以下とする条件より算定し、
 …簡略式としてt=Lx/10を示した。」

こう記されております。


RC規準2010・8条の解説
(解8.18)式を参照するものとし、

片持ちスラブの断面係数
 Ze=1000・t2/6 (mm3/m)

曲げひび割れモーメント
 Mc=0.56・σB0.5・1000・t2/6

   =93.33・σB0.5・t2 (N・mm/m)



等分布荷重による曲げモーメントとしては、
 M=w・Lx2/2

ここで、Mc≧Mとするならば、
 93.33・σB0.5・t2 ≧ w・Lx2/2

必要厚さt の算出式に変形すれば、
 t ≧ {w/(186.66・σB0.5)}・Lx

さらに、
施工時荷重による制限(2.1×スラブ自重)による限度

これを参考に

コンクリート設計基準強度 Fc21(σB=21 N/mm2
 t=150mmの場合、
  w=24×0.15×2.1=7.56 (N/mm/m)

 t ≧ {7.56/(186.66・σB0.5)}・Lx

 t ≧ Lx/10.69 ≒ Lx/10

参考文献の厚みで試算したら、ほぼ簡略式に近い。


この辺りから考えると、
 先端荷重を受ける片持ちスラブについては、
 長期荷重によるモーメントを
  曲げひび割れモーメント以下に抑えておくのが
 妥当なところ
かと思われます。

※ここでは、
 鉛直震度や断面算定時応力割増しとは別のお話とは思いますが、
 (その時は、必要な配筋がUPする事でしょうから…)

試算したメモ記事でした。。。 



      ▼ 記事を読んで頂いてアリガトウ
                m(_ _)m
         よければクリックお願いします ▼
          できれば、2箇所ほど (^_^;)
        人気ブログランキングへ



★同一カテゴリの最近の関連記事☆
    ・RC構造
       鉄筋の圧延マーク(刻印)  (1) (2)
       RC規準2010のQ&Aデータを保管
       RC梁主筋の2段筋受け筋


 ★サイトマップへはコチラから☆  クリック m(_ _)m


関連記事
スポンサーサイト

テーマ : 思うこと
ジャンル : その他

tag : RC造 片持ちスラブ 厚さ

コメントの投稿

Secret

スポンサーサイト

送料無料でご自宅まで集荷いたします。ネットオフの宅配買取 本&DVD買取コース!
プロフィール

たぁ~ぼ~

Author:たぁ~ぼ~
ブログの管理人です。
毎日コツコツ建築構造設計しています。
心に移りゆく事を気ままに日記的につづってゆきます。

アクセスカウンター
このブログ一緒にみてる人数
現在の閲覧者数:
更新履歴


総記事数:
ニュース
月別アーカイブ
カテゴリーめにゅ~
サイトまっぷ▼有
スポンサーリンク
お天気は?
チョッとゲームでも。。。
気分転換に!
Flashリバーシ ♪~♪
気分転換 その2!
ブログランク状況
現在のランク
デジタル時計
お日柄チェッカー
熨斗と水引
Twitter
ブログランキング
参加中  ▼

FC2Blog Ranking

人気ブログランキングへ

おきてがみ

ご訪問ありがとうございます!
検索フォーム
★参考HPリンク集☆
最新コメント
最新トラックバック
おすすめサイト

┗ 沈下修正おまかせ!!
アフィリエイト・SEO対策 Vector 間取りデータを100プラン公開!! e-houseの「間取り」
『オートデスクストア』
Amazonストア
Amazonストア
7ネットショッピング
リンクです(^o^)丿
UNIQLOCK
ブログパ~ツ